(1) collinsを知った日
ハムフェアーに出すジャンク品を集めようとして始めたオークションにてSX-28を入手した事から,ついに禁断のマシンを手に入れてしまった. それはFT-101ではなくTS-520でもなく,何とCollinsであった. 60年~70年代にハムを始めた方は「コリンズタイプ」って言葉は聴かれた事があると思います. JA6GRCのコールサインで1966年に開局した頃はAMモードが中心でSSBはバンドの隅っこで交信していました. 例えば3.5MHz(当時はサイクルと言っていました)バンドの下の方に電信がいて,3.525から3.56あたりまでAMがいて,3.56より上にSSBがいました. このモガモガと聞こえる電波はCQ誌を読んでSSBと言う電波形式である事が分かりました. SSBは搬送波キャリアーを抑圧し,単側波帯にして送信し,受診側でキャリアーを注入して聞くと,元の音声として復調することができます. キャリアーを注入しないで聞くとモガモガと聞こえるのです. 1967年7月号のCQ誌を見て「市販のパーツを使ったビギナー向き7球SSB送信機」が紹介されていましたが,ユニーク無線から出したSSBジェネレータUSG-5000と言うモジュールを使ったものでした.このモジュールも,高校2年生の私には高嶺の花でありました. 1965年6月号のCQ誌に3球SSB送信機の製作記事が出ていてこれを作成しました. これはフェージングタイプでPSNは抵抗を2個とコンデンサーを2個を組み合わせたお粗末な物ですが,バラモジの2組のボリュームを調整するとキャリアバランスが取れてワンターン豆球の灯りが消えて行く様子に感激したものでした. 3.5Mでローカル局にブレークすると,あれGRCさんがモガモガ出している,とビックリされましたが,お世辞にもSSBとは言いがたい電波でありました. 図1 高校2年生時真空管テレビのジャンクを利用して作ったSSB送信機の回路(1965年6月号) 図2 高嶺の花だったSSB送信機 ユニーク無線のSSBジェネレータUSG-5000 コリンズタイプとはいわゆるダブルスーパー方式で,最初の局発に水晶を使い第二局発をVFOとしたものです. 高1中2の受信機にクリコンを付けるとコリンズタイプの受信機となります. 国産のSSBの機械はほとんどがこのコリンズタイプで作られていました. 会社に入社し,川崎のアパートで2アマの資格を取りJF1RWZを開局した時に中古のFR-50BとFL50Bを買いましたが,このFR-50Bはダブルスーパーではありますが,第1局発がVFOで第2局発が水晶だったかと思います.21Mや28MではQRHが発生し電源入れてすぐはとてもCWでは出られませんでした. 1975年横浜市の団地に入居した時にFTdx401の中古を購入し100W検査を受けました. 午前中に戸塚の2文字コールのOMさんが検査を受け,私は午後の検査です. そのOMさんが検査を受けたリグがコリンズのKWM-2でした. 午後の私の検査は出力パワーの測定とTVIが出ないかの検査で1時間くらいで終わりました. 私もいずれあの,ねずみ色の機械が欲しいな~と頭の片隅に焼印を押されたような気がした一日でした. それから41年の年月が過ぎ,還暦を迎えた時,脳の片隅に押された焼印がSX-28のリストア作業をして飛び出してきた感がします. ① KWM-2とKWM-2Aは何処が違うのか,とか ② KWM-2にはRITがない,とか ③ CWをやるならSラインが良い,とか ④ Collinsを入手する方法とか 連載にご期待ください. 貴方にも手が届くKWM-2
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