Collins 30L-1を使いたいのでハイパワー局500Wを申請することにした.
ハイパワーの申請で問題になるのがI インターフェア(電波障害)です.
200WまではTSSの保証認定があれば検査は省略されますが,500Wや1KWの無線設備は検査官が来てスプリアスの検査や近所にIが出ていないか検査がある.
【コモンモード電流を測る】
電気/電子システムで意図的に使用される電気信号は,通常は,ある線を通して送られると,それと組となる他の線を通って送出元に戻る.このような形での電流の流れは,ノーマルモード (normal mode),差動モード (differential mode),対称モード (synmmetric mode) などと呼ばれる.
これに対して,電流の一部が大地などの経路を通って戻ることがあり,このような流れは,コモンモード (common mode),非対象モード (asymmetric mode) などと呼ばれる.
このコモンモード電流がTVIやテレホンI,インターホンI等さまざまなIを発生させる原因となる.
このコモンモード電流を直読できる便利な道具を見つけ出した.それは高周波電流計である.
有限会社大進無線からデジタルRF電流計(高周波電流計)バージョン2 パーツセット 定価1,550円を購入した.
非常にリーズナブルな価格でびっくりした.
回路は分割リングに巻いたクランプコア(高周波トランス)で検出した高周波電流をダイオードで整流しデジタル電圧計を使って値を表示する仕組みだ.
この分割コアや大型の洗濯はさみを1つづつ部品を集めるのは大変ですヨネ.
完成図はこうなる.
説明書にはデジタルテスターを使うようになっているが,アナログテスターの0.3Vレンジでも十分に実用になった.
私は感覚的にメータの振れが読めるアナログテスターが好きだ.
さっそくキュービカルクワッドやダイポールで送信した時のコモンモード電流を測ってみた.
図に示す7Mのダイポールの送信機側コネクターのコモンモード電流がコモンモードチョークを入れた前後で測定すると送信機側の電流が少なくなっていた.
ダイホールアンテナは完璧な平衡となっておらずアンバランスな部分がコモンモード電流として跳ね返って来て,CMCで減衰された結果10mAが3mAになったのではと考えられる.
この高周波電流計は数値として表示してくれるので「インターフェアの元の見えるか」ができるのだ.
電話にIが入る時やインターホンにIが出る時に,AC電源側と回線側と高周波電流を測定しどちらの電流が多いか,またパッチンコア等を挿入してどの程度数値的に効果が出たかを調べることができるので便利だ.
これからやってみたい実験として現在クラニシのカウンターポーイズを使っているがバンド毎にチューニングを取るのも面倒なので,1/4波長のカウンターポーイズをそれぞれの帯域で用意したい.その波長の測定器として使えるか実験してみたいと思っている.
今まで測定できなかった高周波電流が読める便利な道具,しかも僅か1,550円で手にはいるのです.
これはハイパワーに関係なくお勧めの道具です.
de JF1RWZ
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