7L3ATQ 岡本 博
30 Dec 2004 21:49:47
(第一報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第1報
愉快な仲間の皆さんこんばんは 今年も鬼の岡村編集長の強いお勧め(実は○○!)
で冬の北海道便りをお届けします。
本年は災害の暗いニュースばかりで余り良いことが
無かった気がしますが少しでも息抜きになればとの思いで書き進めて行くことにします。
ATQが冬の北海道にバードウォッチング&撮影の旅を始めてからとうとう節目の15年目になってしまいました。
俗に「石の上にも三年」と言いますがその五倍の15年とは我ながらそのしつこさに呆れてしまいます。
また岡村編集長のホームページに登場するのも冬の便りだけで4回目になります。
そういう訳でいささか種切れの感は否めませんが暫くの間お付き合い宜しくお願い致します。
* もう暖冬でも驚かない! *
珍しく雪の東京羽田空港から千歳空港に降り立って見れば予想通り道路に雪が無い。
この処急激に進む地球温暖化の影響か北海道に雪が無くても左程驚かなくなって来た。
しかし考えて見ると今年は異常気象で台風が異常に多く発生し、日本列島に上陸したと言われているが、確実に南太平洋の海水温度が上昇してしまった状況では来年以降も今年以上に多くの台風が発生すると考えた方が遥かに自然である。
せいぜい愉快な仲間の皆さんも省エネに心掛けましょう。
なにしろ冬の北海道の屋外活動にターゲットを合せている省エネ派のATQの自宅では年間を通じて全く暖房していないのです。
(ナニ?そんな偉そうなことを言っても3500ccのパジェロに一人で乗って毎日通勤しているようでは意味が無いって。ムムーッ反論出来ない。)
とにかく何処かの大国も二酸化炭素排出規制の京都議定書をなるべく早く批准して下さいネ!。
* あれっ! フェリーの旅は?? *
さて、いつもの冬の北海道便りでは必ず出てくるフェリーのMM運用の話しはどうしたのとお馴染みの読者の皆さん
(そんな酔狂な奴がいるのかよって?。すみません作者としてはいなければ張り合いが無いので勝手にいることにしています。)は思ったことでしょう。
実はこのところUVのMM運用は連戦連敗、全く交信して下さる局が居ないのと今年の連休はいつもより短いので愛車の“動くシャック”は往復とも1日早く無人航送で送り、
(長距離輸送のトレーラーの荷台だけ船に乗せ牽引車の部分を載せないで送る方法:北海道からの生鮮食料品は殆どこの方法で輸送されている。)本人は飛行機で追いかけることにした。
フェリー運賃は運転手付きでも無人航送でも余り変らず、往復の航空券が余分に必要でかなり割高になるのだが“残りの時間が貴重”なATQとしては「時間が買えるのであれば仕方が無い」と割り切って奮発することにしたのです。
* 何はともあれCQ CQ *
いよいよ本題の旅行記へ入ろう。千歳到着は12月29日(水)16:30早速フェリーの到着している苫小牧へと向うことにしよう。
ところが空港の地下にある駅から出る電車は
全て札幌行で反対方向の苫小牧には乗り継ぎが悪く1.5時間も掛ってしまう。
やれやれ仕方なくタクシーで向うことにしよう。
途中バードウォッチングの名所ウトナイ沼をかすめて行くもののもう薄暗くなり始め立ち寄る暇が無い。
残念次回に期待しよう。17:00過ぎに無事車を受け取ってさあ出発!。
早速無線機のスイッチを入れ7MHzを聞くと6エリアの記念局がサービスしている。
何回かのお声掛けでやっと交信できた。
やれやれこれでまた毎日連続交信が途切れないですんだと一安心のATQ。
次に145FMをチェックするとCQを出している局は全くいない。
これも予想通りと言えばその通りだが何とも寂しい限りである。
以前はモービルからCQを出すと移動するにつれて固定局どうしの交信にかぶさり顰蹙を買ったものであるが、今はその心配は全くなくなった。
幸い道路に全く雪は無くスリップの心配も無いので少しは受け身でなくCQを出してみよう。
程無く以前に7Mhzで交信した局から声が掛った。
やれやれこれからは積極的に攻勢にでようと誓った一時でした。
* 公共の宿は使うに限る! *
本日のルートは苫小牧市→鵡川町→平取町→門別町→新冠町→静内町。
途中の平取町にある義経神社は今年の大河ドラマの影響で賑わうに違いない。
いつものコースは平取町から内陸に入り日勝峠を越えて帯広経由釧路に向うのであるが少し気分を変えて夏のコースで久し振りに襟裳岬を廻ってみよう。
出発時間が遅いので今晩の宿は静内町にある町民保養センターに予約しておいた。
一泊二食と本物の温泉付きで6千円ちょっとのお値段は嬉しい限りである。
しかし実際に泊まって見れば広い館内に宿泊客はATQただ一人。
なんとももったいないものである。
さあ愉快な仲間の皆さんも積極的に公共の宿を利用しましょう。
* 日高路はサラブレッドの故里 *
鵡川町から最南端のえりも町までの日高路はどこもサラブレッドを育てる牧場が続いている。
今でも往年の名馬が沢山種馬として優雅に余生を送っているのに合うことが出来る。
さあ!競馬ファンの貴方是非とも足を運んでください。またこの辺りの海岸は有名な昆布の産地で利尻、羅臼と並ぶ日高昆布のブランドは特に有名である。
* 襟裳の春は何もある春です♪ *
一夜明けて三石町→浦河町→様似町→えりも町の襟裳岬へと向う。
この辺りの日高と十勝の脊梁である日高山脈には幌尻岳、ペテガリ岳、神威岳と自然が豊かでアプローチの長い素晴らしい山が群れをなしている。
元山男のATQとしてはもっと若い内に登らなかったことが悔やまれてならない。
その中で様似町にあるアポイ岳は標高811mと気楽に登れる高さでありながらアポイ○○と名前が付いた固有種の高山植物が沢山ある素晴らしい花の山である。
機会があれば薄野詣出よりもラーメン食べ歩きよりも意義のある北海道の想い出になること請け合いである。(独断と偏見の自然派ATQのお勧めではあてにならないか??)
襟裳岬は森進一(あれ?この字で良かったっけ??)の歌で何も無いことになってしまい地元ではさぞ悔しい思いをしている観光のメッカである。
岬の先端部には銭形アザラシが多数みられ雄大な太平洋が見られるだけでも素晴らしい。
灯台の近くにはご丁寧にも件の歌の歌碑があり、それをバックに記念写真に収まるのも一興かも知れない。
第1報が長くなって来ましたのでそろそろ筆を置きましょう。
写真は襟裳岬先端から見る太平洋と日高山地をバックに望む襟も岬灯台です。
2004.12.30 釧路にて 7L3ATQ 岡本 博
(第二報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第2報
31 Dec 2004 23:25:02
愉快な仲間の皆さんこんばんは。早いものでもう大晦日。今年は本当に大きな災害ばかり続いた大変な年でしたね。
でも今晩の除夜の鐘と共に厄を払い希望に満ちた新年を迎えましょう。
* 裕福な地名は厳しい歴史の裏返し? *
12/30(木)襟裳岬から広尾町に向う百人浜はNHKのプロジェクトXで紹介された松林が続く。
その先太平洋側の波打ち際に続く国道336号線は通称黄金道路。
昭和30年代に訪れた時は波に洗われそうな一筋の砂利道であったがそのころから黄金道路と呼ばれていた。
厳しい現実から名前(地名)だけでも夢のある名前を選ぶと言う“もの悲しい歴史”が秘められている。
そう言えば広尾町から帯広まで運転されていた旧国鉄広尾線の幸福駅も北海道開拓時代の厳しさの中で少しでも豊かになろうとした願望の現われに違いない。
現在の黄金道路は完全舗装で無数のスノーシェルター(覆道)が作られ、またあちこちにショートカットのためのトンネルが工事中である。
正に公共事業の見本のように膨大な資金をつぎ込む現状は先人が付けたネーミングが妙に似合うと感じるのはひねくれ者を自認するATQだけだろうか。
* 十勝の海岸は豊かな原生花園 *
今日のルートはえりも町→広尾町→大樹町→虫類村→豊頃町→浦幌町→音別町→白糠町→釧路市→鶴居村。
釧路行きフェリーが無くなって久しいがひたすら距離を稼ぐだけの単調なドライブ。
道路に雪が全くないため愉快な仲間の皆さんが期待しているアクシデントにも会うことが無い。
閑話休題。大樹町から豊頃町の十勝川河口までの海岸沿いにはホロカヤントウ沼、生花苗沼、湧洞沼、長節湖と周辺の砂州に原生花園が広がる海跡湖が続く。
原生花園と言えば網走周辺やサロマ湖周辺のオホーツク海側が有名で観光バスで訪れることが多い。
しかしここ十勝に6月中旬~7月末までの花の季節に訪問すれば観光地ではない豊かな自然に触れ合う事ができ、バードウォッチャーのATQお勧めの北海道を垣間見らること請け合いである。
* 一年振りにタンチョウに再会!! *
14:00過ぎに鶴居村にある伊藤タンチョウサンクチュアリに無事到着。折りからの好天に映えるタンチョウの姿が美しい。
しばしの撮影に思わず力入るカメラマンのATQ。
それにしても途中7MHzの交信で繋がる東北、新潟、はては東京まで雪だと言うのに・・・・・。
そんなに日頃の行いが良い訳はないのに??。
* 釧路の夜は岡村編集長へご挨拶 *
今日は長距離ドライブで疲れたので早めに釧路のホテルで休むことにしよう。だが待てよ!
そろそろ原稿を送らないと鬼の岡村編集長からモバイルで矢の催促が届きそうな予感がする。
こんな時最近のホテルはインターネットが使えるので大変便利ですね。
愉快な仲間のホームページをチェックして、原稿を送って、でも天候が良すぎてネタがないなあ。
あーあー眠くなってきた。
明日は夜明のタンチョウ撮影だからもう寝ようっと。ZZZZ・・・・。
* 早起きは三文の得 寝坊は○○の損?? *
12/31(金)4:30起床 鶴居村のタンチョウのねぐらで朝日と朝霧に包まれるタンチョウの撮影だ。
5:30に撮影ポイントに到着すれば既に三脚がずらりと並んでいる。やれやれ少し遅過ぎた。
遠慮勝ちに一番端に三脚を立て場所を確保してからコンビニ朝食と洒落込もう。
それにしても三脚が約30本。やはり日本は平和で豊かな国ですねえ。
気温は-13℃ まあまあの寒さである。
このくらい寒くないと霧氷も付かず冬のイメージが画面に現われてこない。
9:00過ぎまでここで撮影し、後は隣の阿寒町にある観察センターに移動することにしよう。
阿寒町の観察センターこの付近に4箇所あるタンチョウ観察施設としては設備が整い最も楽に観察できる所である。
今年もNHKのプロジェクトXで紹介されたタンチョウ保護運動と撮影の大御所林田さんも来ておられた。
* 2004年無線交信総決算 *
今日は大晦日撮影は早めに切り上げて根室の旅館に向うことにしよう。
ルートは阿寒町→釧路市→釧路町→厚岸町→浜中町→根室市。
途中の厚岸町から浜中町にかけては花の名所霧多布。
6月中旬から7月中旬の最も花が奇麗な時にゆっくり休めないサラリーマンのATQは早く定年にならないかと今から首を長くしている。
( ばかを言うな。もうすぐ定年だろ!仕事が有る内が華だぞと諸先輩の叱咤が聞えてきました。)
さて根室の定宿に付いて特別サービスの特大花咲蟹をたべてからハムログで2004年の交信数を調べてみると 3525交信。
昨年の 5951交信には遠く及ばないものの 10交信/日のペースはUVの激減から考えればそんなに悪いものではないと自分自身を慰めるATQでした。
とにかく交信して下さった無線局の皆さん本当に有り難う御座いました。
では良いお年をお迎えすることを祈ります。
2004.12.31 根室にて 7L3ATQ 岡本 博
写真は鶴居村と阿寒町のタンチョウ 2態と霧多布琵琶瀬湿原です。
(第三報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第3報
1 Jan 2005 22:38:04
愉快な仲間の皆さん 新年明けましておめでとうございます。本年こそ災害の無い明るい年であることを期待しましょう。
またこのところ凋落気味のアマチュア無線を皆さんのパワーで盛り返しましょう!!。
* 日本一早い日の出は?? *
1/1(土)5:30に根室市の宿を出発して日本一早い日の出が見られるノサップ岬へ16Kmのドライブに出発だ。
走出して7、8分するとカーブの所で車が渋滞し、その先に何やら赤色灯が点滅している。
早速バードウォッチング用の双眼鏡で様子を伺えば丁度レッカー車で道路脇に転落した車を吊り上げているところだ。
道路に雪は無く乾燥した道路で僅かにカーブしているもののそれ程事故が起きそうな所とは思えない。
(夕方の北海道ニュースの時間で乗っていた4人の若者が重軽傷を負った由、一日も早い快復を祈ります。)
そう言えば昨日も昨日阿寒町から釧路市に戻る国道の交差点で車どうしがぶつかり丁度救急車が到着した瞬間に遭遇したばかりだった。
毎日長距離走行しているATQも事故を起こして愉快な仲間の皆さんに話題を提供しない様に気を付けなくっちゃ。
さてノサップ岬の駐車場に到着したが相変わらず強風でメチャ寒く感じる。
何となく去年と同じ灯台の横で初日を拝むのも変り映えしないし・・・・・。
そうだ!ノサップ岬には北方領土の返還を願って四島を望む平和の塔と言う展望台がある。
高さがなんと97mもあり、地上で拝む初日より一瞬早く拝むことができる!!(ホントかいな??。)
それにガラス張りの展望台は風も当らないし・・。
それにここのエレベータは1987年になんとATQの職場であるT社府中工場で製造したものだし・・。
とか何とか屁理屈を付けて軟弱なATQは900円の入場料を払って展望台登ったのです。
* うーん やはり天罰か?? *
元旦の日の出時間は6:49頃。6:10頃から展望台に昇り徐々の明るくなるに連れて北方領土の貝殻島や水晶島等の歯舞諸島の輪郭が見えてくる。
水平線も見えているし、雲もそんなに厚くないし・・・。
ところが日の出の時間を過ぎても全く朝日は見えず空が明るくなっては来るが少しも赤くならない。
結局7:30になって全く普通の朝になってしまった。
やはり邪(よこしま)な考えを神様に見透かされてしまったか。
しかたがないので展望台から双眼鏡で見付けたノサップ岬の先端に座礁している“日本最東端の難破船”の写真を撮って帰ることにしよう。
おお寒!!。それにしても台風19号は凄いですね。
日本のあちこちで船が流されて座礁したのですから。
* 今年の無線は絶不調 *
初日が拝めなかったのでここは本業のバードウォッチングに頑張ろう、
と言う訳で宿に戻り朝食が終わってから花咲港目指して出発。
ところが毎年確実に見られるコオリガモ、ホオジロガモ、ビロードキンクロ等の珍しいカモ類は全くいない。
どうなっちゃているのだろう??。
やはり地球温暖化の影響で鳥の渡りの時期がずれ込んでいるに違いない。
初日と鳥見で連敗ならばここは無線で汚名挽回を図るしかない!。
早速145FMをチェックして見るが誰も居ない。
昨年は21MHzで元旦早々41交信も出来たのに今年は21も全く開けていない。
結局7Mzでお馴染みの6局と交信しただけで初日は終わり。
うーーんこれでは先が思いやられるなあ・・・。
* 頼みのワシは? *
今日のルートは根室市→浜中町→別海町→標津町。
根室市にある春国岱はバードウォッチングのメッカ。
夏にはオオジュリン、コヨシキリ、ベニマシコ、ノビタキ、ノゴマ等草原の鳥からクマゲラ、アオゲラ、アカゲラ等のキツツキ類、大はタンチョウから小はミソサザイまで見ることができる。
しかし今年は雪も殆ど無く冬の目玉商品であるユキホオジロを見付けることは出来ない。
別海町側から風連湖囲む砂州の走古丹に廻ってみれば途中で道路に柵がしてあり、昨年まで先端まで行けたのが通行止めになっている。
もう踏んだり蹴ったりで自然に触れ合う趣味は生き残ることも出来ないのかと嘆くATQ。
標津町から別海町にまたがる野付半島を丹念に探すとお目当てのオジロワシ、オオワシの精悍な姿を見ることが出来た。
やれやれこれで連戦連敗に終止符を打つことができた。
* サーモン科学館は粋な計らい *
今日は時間に余裕があるので標津町にあるサーモン科学館に行って見よう。
だが待てよ、確か正月は休みだった。ところが着いてみると1/1~1/3特開館(入場料半額)と張り紙が有る。
いままでは12月から2月いっぱい冬期閉館だったはずで、何年か前の冬の北海道便りにATQが施設がもったいないのアルバイトを雇ってでも正月は開放すべきと提言したことがある。
まさかATQの北海道便りを読んだ訳ではあるまいが入場料半額を含めて粋な計らいに感謝、感謝。
とにかく標津川の鮭鱒孵化場が母体になっているだけに1mのイトウや世界の鮭18種類の展示等鮭に関する展示は他に例を見ない。
機会があれば一度訪れて見ることをお勧めする。
あそうそう 標津川は秋に鮭釣りのイベントも行われているので釣り好きな方は充分に楽しめるポイントである。
いよいよ明日はQSOパーティに参加するので今日は早めに寝ることにしよう。
写真は日のでの時刻のノサップ岬と最東端の難破船、野付半島のワシの成る木です。
2005.1.1 別海町尾岱沼にて 7L3ATQ 岡本 博
(第四報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第4報
3 Jan 2005 20:49:07
愉快な仲間の皆さんこんばんわ。そろそろいつもと同じルートでネタが尽きて来た感じですがもう暫くのお付き合いお願い致します。
* 1日遅れでも初日の出かな?? *
1/2(日)尾岱沼の定宿で5:30に起床。正月だからと言って寝坊を決め込んでいる貴方!少しはATQを見習って下さい。
今日は昨日見られなかった初日の出のリターンマッチ。
1/2でも今年初めて見られば立派な初日の出(うーーんやはり違うかなァ?)
尾岱沼はノサップ岬と並ぶ日の出の名所。
なにしろ宿の直ぐ裏で見られるのが有り難い。
今日は水平線に少し雲があったが見事な日の出が見られた。ウーーンこれで少しはつきが廻ってきたかな?。
* さあ N.Y QSOパーティだ!! *
いよいよ一年中で最も無線が賑わうQSOパーティが始まる。この辺りで車で行くことができUVでロケーションの良い弟子屈町の摩周第一展望台へ向うことにしよう。
ルートは別海町→標津町→中標津町→標茶町→弟子屈町。
雪が無く道路が乾燥しているため9:00のパーティ開始時間前に快晴の展望台に無事到着した。
念のためモービルホイップで21MHzをチェックして見るが全く聞えない。
7MHzは賑やか過ぎて弱小局ATQは全く取り付く島が無い。
そこで予定通りGPアンテナを立て145FMでCQを始める。
結局14:00近くまで参加し44交信と取り敢えずの目標である20交信をクリヤーすることが出来た。
ATQは開局以来11年、QSOパーティーは全て8エリアで参加している。
その所為か初交信の局は44交信で僅か7局。うーん初交信局が少ないのを嘆くべきか、お馴染み局との再会を喜べば良いのかチョッピリ複雑な心境のATQでした。
その中で十勝の豊頃町で移動運用されていた佐竹さんは奥様とお嬢さま二人の一家四人で無線を楽しんでおられ、今時珍しく羨ましくもあると感じたのはATQだけではないでしょう。
いつまでも続けられます様期待して遠くから応援しています。
またJARLもただ干支のステッカーを個別に配布するだけでなく、家族3人以上でまとめて申請すれば特別賞を授与するとか少し工夫すれば衰退気味のアマチュア無線の活性化の一助になると思います。
* ええっ!信号待ち!!?? *
QSOパーティー初日は16:00でアンテナを収め元来た道を中標津まで戻り、今夜の宿がある羅臼町へと向う。
辺りが暗くなって来た羅臼町に入り信号停止でひょっと外を見ると大きな犬が信号の所にいた。
ン??良く見れば角がある。ええっ!なんでこんな町中に鹿がいるの??。
もともと知床半島はエゾシカが多い所であるが毎年見掛るのはもっと先端に近い瀬石辺りの崖の上。
今年はシカが少なくいつも見掛る春国岱や野付半島では全く見られなかったのに。
ああ 一緒に馬が居なくて良かったなどと冗談を言っている場合ではないですね。
昨年は日本各地で熊が人里に現われ駆除されたり、北海道ではキタキツネが道路に多く現われ観光客が餌を与えてエキノコックスの感染が問題になったり、野生動物と人間との関係で正しい距離を保てなくなったことが随分話題になりました。
チョット大袈裟かも知れませんが環境保護団体の会員であるATQは自然保護と人間の生活環境の在り方に付いて考えさせられる一こまでした。
* バードウォッチングも正月休み? *
1/3(月)8:00に宿を出て毎年お馴染みのオジロワシ、オオワシの観察に知床半島へと向う。
ところがいつも崖上の木に止まっているワシ類が全くいない。羅臼から道路がある最北端の相泊りまで16Kmで僅か2個体しか確認できない。
いつも多数見られるシノリガモやホオジロガモの数も極端に少ない。
やはり地球温暖化の影響で暖冬になり、正月休みの時期ではまだ寒さが本格的でないため冬鳥の南下が遅れているのではないか。
もう今回の旅でバードウォッチングは諦めよう。
* N.Y QSOパーティー Par.2 *
昨日のQSOパーティーではいつも声を掛けて下さるお馴染み局にまだ会っていない。
それではもう一箇所ロケーションの良い美幌峠に向うことにしよう。
ルートは羅臼町→斜里町→清里町→小清水町→弟子屈町→美幌町。
途中の斜里町は今では輸入の砂糖黍に押されてめっきり少なくなって来た砂糖大根(甜菜)の産地である。
美幌峠の眼下に広がる屈斜路湖は湖畔の砂を掘ると温泉が湧き出すことで有名な砂湯がある。
このため砂湯付近には雪が融けて積もらず、湖水も凍らないため多くのハクチョウが越冬している。
昼過ぎに美幌峠に到着、ここは景色の良さでも有名で視界も広くその分UVのロケーションは申し分無い。
早速GPアンテナを立て「CQ N.Y QSOパーティ」と連呼する。ところが思ったほど声が掛らない。
どうも初日で20局交信した局は二日目には参加しないことが多いようだ。
とにかく8エリアの局は遠慮深いと言うか欲が無いと言うか1エリアに帰って東京のローカル局が軒並み100交信したなどと言っているのに比べて平均交信数が少ないのではと感じたのでした。
結局本日は僅か6交信、でも浜中町の梅原さんからは10年連続で声が掛りわざわざ美幌峠まで長躯遠征した甲斐が有ったと喜んだのでした。
* さあいよいよ帰路につかなくっちゃ *
バードウォッチンは諦め、QSOパーティは終わり後は苫小牧に向って帰路につこう。
今夜の宿は阿寒湖半の定宿になっている温泉民宿。
再び美幌峠を降りて屈斜路湖畔をかすめ川湯温泉から弟子屈町へ戻る。
弟子屈町から景色の良い阿寒横断道路を40分程走れば立派な観光ホテルが立ち並ぶ阿寒湖畔温泉街へ到着する。
さあゆっくりと温泉に浸かって疲れを取るとするか。
(良く言うよ。毎日温泉に入り浸りじゃないかって?すみません。その通りです。)
写真は尾岱沼の日の出、摩周湖と屈斜路湖畔砂湯です。
2004.1.3 阿寒湖畔にて 7L3ATQ 岡本 博
(第五報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第5報
4 Jan 2005 21:40:43
愉快な仲間の皆さんこんばんは。
今日はもう仕事始めで早速お仕事に出掛けられた方が大勢いらっしゃると思います。
そのなかでまだ北海道で遊んでいては申し訳が無いのですが気分転換にもう少しお付き合いお願い致します。
* 今日は純粋移動日です *
1/4(火)阿寒湖の宿で5:30に起きれば外は細かい雪が降っている。
今回の旅行で雪らしい雪が降ってきたのはこれが始めて。
今日は日程の都合で苫小牧に向けて移動する純粋移動日なので帰って天候が悪い方が未練が残らなくて良いと勝手に納得してまた朝風呂(温泉)に入るATQ。
(何が有っても無くても温泉ばかり、「それで良く身上潰さないネェー」大向うから声が掛りそうです。ハイ)まあとにかく朝食後早目に出発することにしよう。
今日のルートは阿寒町→足寄町→上士幌町→士幌町→鹿追町→新得町→南富良野町。
* 足寄の名物は何? *
阿寒町から15分も走れば足寄町に入りオンネトーの入り口に着く。
オンネトーは雌阿寒岳と阿寒富士の美しい姿を映す神秘の湖で四季折々に変化に富んだ風情を見せる。
その直ぐ傍にあった“野中温泉キ○○イユース”と言えば30年代生まれの旅好きの世代にとっては忘れられない思い出となっていることだろう。
(えっ!何のことか判らないって?。興味のある方はATQツーリストにお尋ねください??。)
足寄町の特産はラワン蕗。
大きくて傘の代りになる有名な秋田の蕗よりも大きな蕗で茎を加工して袋詰めや缶詰にしたものがお土産として売られている。
その他に足寄で特に目にするものは当地出身で人気のある歌手の松山千春さんと政治家の鈴木宗男さんポスター。
やはり地元の支援は何よりの力になるのでしょう。
* 銀河鉄道は夜空に消える運命か? *
十勝ワインで有名な池田町から足寄町を通り北見市まで走っている旧国鉄の池北線)は赤字路線廃止の波に呑まれず存続する為、ちほく高原鉄道として第3セクターで運営されている。
しかし宮沢賢治の銀河鉄道のイメージでPRに積極的に努めたにも拘わらず経営が厳しくまたまた存続の危機に瀕している。
そこでファンクラブのような支援の募金活動を行っている。
愉快な仲間の皆さんもし気が向いたら北海道旅行の時には是非この鉄道に乗って下さい。
また余裕があれば募金して下さい。
(と言っても中学生の頃から北海道に通ってSLの写真を撮っていた元祖鉄道少年のATQでさえこのところさっぱり鉄道に乗らないのだもの・・・・。廃止もしかたがないのかなあ。)
* エアーモービル運用は夢のCQ *
上士幌町は熱気球の町で毎年秋に開催されるバルーンフェスタは特に有名である。
広大な十勝平野の上空に色とりどり気球が数十機( ン!気球の数は何の単位で数えるのだろう?個、杯、本、ヶ、つ???。)のどかに浮かぶ様は一見の価値がある。
またとにかく高いところを必死に探す無線屋にとっても一度は大空にゆっくりと浮かぶ気球の上から「CQ CQ」と叫んで見たいものである。
* 新得町は日本一の花の山の入り口 *
新得町の市街地から40Km程十勝川沿いに北上すれば日本一の高山植物の山トムラウシの南側の登山口がある。
この山のお花畑の広大さはその規模で特に有名な北アルプスの白馬岳のそれを遥かに凌ぐ。
西側の天人峡温泉、東側の大雪高原温泉、とこちら側のトムラウシ温泉から登山道が拓けているがいずれも日帰りでは頂上を目指すことは出来ない。
このことからも山の広さ、深さが計り知れよう。ATQも過去に3回この山に登ったことがあるがあの感動を忘れることは出来ない。
また中腹以上の岩場には氷河時代からの生き残りと言われている天然記念物のナキウサギが愛らしい姿を見せてくれる。
一度で良いから10日位滞在し、ナキウサギの撮影をしたいと思ってはいるがそんな暇も、体力もポーターを雇う資金力も無い。
ATQは只々NHKの自然番組を見て涎を垂らすのみである。
* 狩勝峠はいまも昔も交通の要 *
石狩と十勝の境にある狩勝峠といえばかつて雄大なループ線を喘ぎながら登る蒸気機関車の勇姿を撮影する鉄道写真では日本一の名所と言われていた。
その後勾配を緩和して距離を詰めるため新狩勝トンネルが作られたためループ線は使用されなくなったが暫くは鉄道技術研究所の脱線原因調査用線路として利用され実物の車両を使った脱線実験が行われていた。
一方道央と道東を結ぶ国道38号線の狩勝峠も十勝を眺める眺望で日本一と言われている。
(この点は全国ではもっと良い眺めがあるような気がしますが、流石に旅好きのATQも全国の峠を見た訳ではないので判りません。)
* 眺めが良ければ波(電波)も飛ぶ! *
国道の狩勝峠にはドライブインが有り大きな駐車場を備えている。当然と言えば当然ですが眺望が良い所は直線伝播のUVは良く飛んで行く。
これは無線をやるっきゃ
ない!。
早速145FMでCQを始めると既に平日になっているため多くはないが6局と交信できた。
6局とも2回目以上の交信であるが岩見沢市の三谷さんは何と11年振りで吃驚した。
その時はATQが開局直後に天売島にバードウォッチングに行った時5Wのハンディ機で交信したものでこのような出会いの楽しさが無線の醍醐味の一つである。
* 公共の宿のお勧め Par.2 *
狩勝峠でのCQも切り上げ雪の国道38号線を慎重に下ればまもなくかなやま湖に
到着する。
かなやま湖は南富良野町にある人造湖で夏はカヌー、冬は氷に穴をあけてワカサギ釣りがさかんな所である。
北海道最後の宿は湖畔にある町営のかなやま湖保養センター。
今日は移動だけで何処にも寄らなかったので早く着き過ぎてしまったが14:00前に特別にチェックインさせて頂いた。
旅人にとってはこのような小さな心使いが嬉しいものですね。
立派な設備で6000円弱の料金、夕食は食べきれないほどの豪華さ、にも拘わらず宿泊者はATQただ一人。
これでは大赤字になるのは目に見えている。
赤字になれば廃止になるのは止むを得ない。でも廃止になれば困るのは廉い料金で良い旅をしたいと常に思っているATQや愉快な仲間の皆さんです。
さあどしどし公共の宿を利用しましょう !!。
明日はいよいよ苫小牧で車をフェリーの無人航送に依頼して本人は千歳空港から帰路に着くだけです。
したがって最終報はまとめとして自宅から配信します。
写真はオンネトーから見る雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)です。ただし今回はルール違反ですが今年の九月に撮影したものです
(今回は寄らなかったので撮影できませんでした。)もう一枚はかなやま湖のワカサギ穴釣り用テント群です。
2005.1.4 かなやま湖畔にて 7L3ATQ 岡本 博
(第六報)
2004年 ATQ 冬の北海道便り 第6報(最終)
5 Jan 2005 23:32:12
愉快な仲間の皆さんこんばんは 七日間の北海道鳥見&無線旅行のリポートにお付き合いありがとうございました。
1/5(水)20:00過ぎに無事多摩市の自宅に帰着しました。
蛇足ですが最後の報告を送らさせて頂きます。
* 最終日は車の廻送です *
1/5(水)7:30かなやま湖畔の宿を出発しあとは苫小牧のフェリーターミナルへ車を運ぶだけ。
ルートは南富良野町→占冠村→日高町→穂別町→夕張市→由仁町→追分町→早来町→苫小牧市。
昨晩は北海道に入ってから始めて本格的に雪が降った。
(と言っても積雪量僅か15cm程度)そのお陰で朝日に輝く樹氷が日高路を行くドライバーを和ませる。
途中の夕張市ではまた雪道でのスリップか車同志の衝突を処理している現場に遭遇した。
今回の旅行ではこれで大きな事故を3件目撃した。事故の当事者には申し訳ないがATQとしてはその都度運転が慎重になり安全運転継続のは役に立ったのです。
11:30ころ無事に苫小牧フェリーターミナルに到着し無人航送の手続きをして千歳に向った。
苫小牧到着が遅れた場合を想定し東京行最終便を予約してあったがかなり早めに到着したのでキャンセル待ちで結局16:30発出来た。
やれやれこれで今回の旅は終わ りと言いたいところだが明日仕事が終わってから大洗まで車を取りに行かなけならない。
やれやれ疲れた。
でも総走行距離約2200 kmを無事故で走れたのだけは感謝しなければなりませんね。
*バードウォッチングの成果は? *
年々地球温暖化の影響か寒さの到来が遅くなり毎年正月休みに北海道に来るATQには見られる鳥の種類も数もどんどん減っている。
自然観察の最適時期とサラリーマンとしての日程の調整は如何ともし難く、今後同じ時期に本格的に成果を上げようとすればサハリンかカムチャッカにいくしかないのでは思ってしまいます。
そう言う訳で今回は見られた鳥の数を記録する気にもなりません。
(バードウォッチングの後で参加者が観察した鳥の種類を報告し合いその数の総数をその探鳥会の成果として記録する作業を業界用語で鳥合わせと言います。)
やはり鳥見とムセンと温泉は取り合わせが悪かったのかなあ・・・。
* 無線の成果は *
今年は無線のコンディションは余り良くなく期待していた21MHzはゼロ。
7MHzはも余り良くない上正月で無線に出ている方が多くて弱小局のATQは叫べども叫べどもの状況で欲求不満が溜まるばかり。
やはり寒さにめげずワイヤーを張らなければだめですね。
N.Y QSOパーティーは145FMだけで50局まあまでした。結局総交信数は110局一応それなりの成果と言うところでしょうか。
お声掛け、並びにお取り上げして下さった各局ありがとうございました。
今年度は皆様ご期待のアクシデントもなく新鮮な情報も少なく退屈な文章の羅列で申し訳有りません。
ではまた何処かでお目に掛かることを楽しみにしています。
写真はかなやまダムから見た日高の山々です。
2005.1.5 多摩市の自宅にて 7L3ATQ 岡本 博
事務局からのお願い m(_ _)m
ATQさんの北海道移動紀行文を読んで頂いて有難うございます。
毎日野鳥の観察や花の撮影で早起きし、無線運用をしながら紀行文を送って頂きました。
写真は全て転載禁止です。
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